「おいしい・・・。」
「くっ・・・・・・わたくしのコックより勝るなんて・・・!」
「さすがナオだね~。」
「お風呂、もう沸いてるから。好きなやつから入りなよ。オレ最後でいいから。」
夕食を作っている間にお風呂は入れておいた。
「まさか!わたくし達の匂いを嗅ぐつもり――」
「なわけあるかーー」
チョウの意味わからない想像に思わず叫ぶ。
今が夕食じゃなかったらちゃぶ台を返すところだった。
「ナオ・・・。」
そして、急にサヨがオレを呼ぶ。
サヨはうるうるした目でオレを見ていた。しかも上目遣い。
「な、なんだよ。」
「ナオがそれを望むなら・・・。私・・・一緒に入ってもいいよ?」
潤んだ瞳。
ジリジリ近づいてくる彼女。
女子らしい、いい匂いが鼻をくすぐる。
目が離せない。
「・・・ねぇ・・入ろ?」
一際甘い声。
距離はだんだん近くなって・・・
「おっと、手が滑った。」
「あちーーーーーおいユズ、味噌汁かけんな」
「あら、わたくしも手が滑りましたわ。」
ゴン!
「痛っ」
「私も~。」
ベシッ
おかしい連続攻撃。
ちなみにチョウは空の茶碗、ハルカはその辺にあった雑誌を投げてきた。お前らケンカ売ってんのか。
すべての原因は・・・
「おいこらサヨ。何のつもりだよ。」
サヨを見ると爆笑していた。
「いや~、ナオは反応が面白いね~。」
こいつの性格はおかしすぎる・・・。


