「ちょっ・・・お客様ーーー!!」
今後はなんだ!?
声のした方を向くとサヨが魚コーナーのガラスにべったり張り付いていた。よくある、調理師が魚をさばくのをガラスごしに見られるあれだ。
あまりにも露骨にそれを見ていて、その光景は異様としか言えない。
「なるほど・・・魚をそんな風に・・・ふーん・・・。」
なんだこの上から目線は。
調理師さんもチラチラ困ったように見ていた。きっと不審者だと思われてるに違いない。
「やべぇ・・・めっちゃ恥ずかしい。」
率直に言って、他人のふりしたい。
はぁ、とため息をついてサヨのもとに駆け寄る。
「な、何やってんだ。お前は~~。」
「・・・だって気になるじゃん。どんな風にやってんのかなーって。」
「サヨの好奇心はわかったから。ほどほどにしろよ。ほら、調理師さん明らかに困ってんじゃん。行くぞ。」
「はーい。もう十分見たからいいや。満足満足。」
確かに心なしか満足気にしたサヨ。
なんか力が抜ける・・・。
「って、あれ?ユズは?」


