そして、夏休み・・・

「お邪魔しまーす・・・。」

「そんな小声で言わなくても大丈夫だって。家族全員いないんだから。」

「そうですわ、ハルカ様。いくら夏休み中タダで使えるといっても、ここは獣のあなぐら・・・何が起こるかわかりません。・・・はっ!この弱みにつけ込んで・・・ハルカ様、どこに盗撮カメラがあるかわかりませんわ。油断なさらないようにっ。」

「設置するわけねーだろ」


結局、夏休み中はオレの家で部活することになった。

必要な物は自分たちで持参するため、みんな重たそうな荷物を抱えていた。


「まあ、とりあえず落ち着いたところで休憩しますかー」


荷物を片付けたところで一旦休憩。
特に何もしなかったオレはせめてもと思いお茶の準備をした。

実はちゃんと手伝おうとしたのだが、チョウが「わたくしたちの荷物を抱えて匂いでも嗅ぐつもりですね!おぞましい・・・!」、と言ってきたので止めた。


人数分のアイスティー。
氷のカラカラという音に涼しさを感じながら持っていく。


「・・・喉渇いたかと思って用意したけど・・・。」


「気がきくねー!」

「ハルカ様お気をつけてっ!何が入っているかわかりませんわ。」


そう言っているチョウも喉が渇いていたんだろう。最終的に手を伸ばしてきた。


「ありがとう。」

サヨに渡すと軽く頭を下げ言ってくれた。


最後にユズ。
アイスティーを


「・・・くぅ・・・・・・。」

「寝てる・・・?」


ユズはあぐらをかいて寝ていた。それを見てハルカが「あぁ。」と言った。


「なんか最近・・・寝てないんだって。」

「ふぅん・・・。」

その顔がひどく切なげに見えた。