「しっかし暑いわね。」

「おい、さっきの下りどうしたんだよ。」

「ですわね。わたくしもさすがに汗が出てきますわ。」


オレの言葉はあっさり無視された。


「そういえば、そろそろじゃん?夏休み。」


今まで黙ってたユズがやっと口を開いた。おそらくゲームに一区切りできたんだろう。疲れたような、満足したような表情をしていた。


「おぉっ!ついにやっとこの季節が来たわね。やっと部活に没頭できるわ」

「去年も毎日のように部活しましたものね。」


半ば予想していたが、やっぱり夏休み中も部活はあるのか。


「面倒くさ・・・。」


ユズが椅子にもたれかかりながら、不機嫌そうに言った。


「まーまー。ユズ、暇なんだから付き合いなさいよ。」

「はぁ・・・。」


諦めたようなため息。


「でも場所がなぁ・・・。毎日学校までくるの疲れるのよね。泊まりづけでやりたいし。」


「そうですわね。今年はわたくしの別荘はどこも使われてしまいますから。」


「そっか・・・あぁ、どこかタダで泊めてくれる所ないかしら。」


「そんなとこあるわけねーじゃん。」


「うるさいですわっ。この変態。」


チョウに殴られ、仕方なく黙った。