憑いてます




『先生

私を助けて。』


女は唐突に

そんな事を言った。


「助けてほしいのは

こっち方だ。


幻聴まで聞こえて…。」


頭を抱える

春木である。


彼の言葉に

女は少し動揺

している様だった。



『幻聴なんかじゃない。

私は確かに先生の側にいる。

ずっと側にいたのに

あいつのせいで

先生と話せなかったのよ。』