【完】王子の優しさ*.




俺は力強く、
上野を抱きしめる。


「…っ!!」


「…好き…」


上野の耳元で
そっと囁いてやる。


「上野は…?」


勿論、顔が
真っ赤な上野。


「…嫌い」


嫌いだと…?


好きなくせに、
嫌いとか言うのか?


…なら、こっちも
意地悪してやろっと。


「あっそ。わかった」


上野から離れて、
出て行こうとした。


ギュッ…


「信じないでよ…
好きに…決まってる…」


最初っから、そう
言えばいいんだよ…