移動中…。
なんか家庭科室って遠くないですか…。
「S組の近くにも家庭科室欲しいよね~。」
「まったくだ。」
「今日は何すんのかねぇ~。」
「…腹減った。」
…皆さん。気にしてるのって私だけ?
さっきからものすごく周りの視線が…。
「ねぇねぇっ!S組の人達だよ!!」
「みんな美形だよねー。頭いいオーラがすごい!!あやかりた~い!!」
美形…ね。確かに私以外はね。
あー。この人達と並びたくない…。
逆に私の平凡度が上がってしまうから。
「高条さんの瞳って本物?
瞳だけ緑色なんて…。」
「カラーコンタクトじゃない?
一人だけS組入ったりして…ずるい。」
瞳は生まれつきですけど…。しかも瞳だけじゃないし。髪は金色だし。
S組は仕方ないでしょう。特待生は首席キープが条件だし、佑は頭いいからS組で…。当然その佑の上をキープするんだから、私もS組じゃないと…。
「会長カッコいい~////。」
そんな声も聞こえた。胸がチクリと痛んだ気がした。
でも、輝先輩は完全無視。少しホッとした。
「ふにゅっ!?」
…またか。私はどうしてこうも人の背中にぶつかるんだ。
今回は…いや、今回も輝先輩の背中だった。
「…お前はボーッとしてることが多いな。」
う…(汗)。返す言葉もございません。
しょうがないじゃん。なんか胸がチクチクしたんだもん。
「早く入れって。なんかノロいぞ、お前ら。」
涼司先輩にせかされて慌てて家庭科室に入った。


