怖くて先輩の顔を見ることができない。

ああ、もうダメだ。

「…汚なくねぇよ。」

………え…。

思わず目を見開く。

今、なんて言った?

「お前は、汚なくなんかねぇ。」

…う……そ…。
嘘でしょ?本当は汚いって思ってるんでしょ?
ねぇ…輝先輩…。

「お前は、お前の中には。
正しい、凛々しい、綺麗な心があるじゃねぇか。
それでいいじゃんじゃねぇのか?」

涙が溢れてくる。さっきよりも、とても多く。
…何なの、この人は。
なんでこんなにも私の欲しい言葉をくれるんだろう。