学校に着くまでがすごく長かった。歩くたびに全身痛いし。服が火傷を刺激するし。

「おい。」

「…へ?」

後ろから声をかけられた。
振り向くと、奥内先輩がいた。
…朝から会ってしまうとは…(汗)。

「おはようございます。奥内先輩。」

とりあえず笑顔であいさつをした。う。少し首を傾けただけなのに首回りが痛い。

「堅苦しい呼び方はやめろ。輝でいい。」

「へ?あ、はい。分かりました。輝先輩。」

別に堅苦しいとは思わないけど…。どっちも変わんない気がする。

私達は喋りながら教室に向かう。教室隣なのに、別々に行くのは変だし。

「それよりお前。昨日と違くねぇか?」

…嘘。気づかれてる?いや、そんなわけない。私は笑って言葉を返した。

「いえ。そんなことありませんよ?いつもこんな感じです。」

私がそう言い終えると、エレベーターが5階に着いた。ここからは教室が違う。

「あ、着きましたね。それじゃあ。」

そう言って、別れた。いや、別れようとした。エレベーターの外に出たのに。