「皆逃げ切ったの?」

「うん。佑もあんなんだけど、無事だよー。
涼司も、俺も全員無事ー。」

良かったー…。
…まぁ、涼司先輩は良いけど。

「オラ、お前ら立て。閉会式始めんぞ。」

私の背後から輝先輩が言う。

「実亜ー♪お疲れ~♪」

美憂が抱きついてきた。

皆、笑ってる。私もその"皆"も入ってる。
変に感じてたのは、私だけだったのかも。

つり合ってる、なんて全然言えないけど…
皆は私と、おんなじように接してくれる。

"幸せ"かも…知れないなぁ。

そうして、体育祭は、幕を閉じたのだった。