幸せへの道


「…ハァッ…ハァッ…ッ。…今回…もダ…メっ…か…。」

"今回"。
前はタバコ押し付けられたっけ。

コーヒーは、少し冷めてたようで、そこまではひどくない。
痛いけどね。

父は、私を見ていない。"実亜"を見ていないんだ。

父が殴っているのは、私を私の母に重ねているからだ。
私の実の母、"優実(ユミ)"に。

今の父は私とは血が繋がっていない。母の再婚相手なのだ。
その母も、5年も前に父と私を置いて出ていった。

それ以来、毎週月曜日の夜の私は痣だらけ。血まみれ。
一回、ひどい時があって、その時は無理矢理抱かれた。

私は自分でも驚くほどに顔が母と似ている。そのせいか、今の父に"実亜"と呼ばれたことは数えるほどしかない。