『お前は、ここにいれば良い。』

本当に?
本当にそう、思ってくれていますか?

私は輝先輩から目が離せない。

「いいか、実亜。お前は俺らと同じだ。
俺らと同じように楽しめばいいんだよ。
今、この瞬間から。」

輝先輩が言ってくれる言葉は、私にとっては勿体なくて、泣きたいほどに嬉しくて。

「輝……先輩…。」

気づいたら先輩の名前を呼んでしまっていて。

「…?何だよ。
まだ何か言いたいことがあんのか?」

ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、その声はとても優しくて。

言葉が不思議と溢れてきて、止まらなくて。

「私……先輩のこと…。」

駄目だっ。誰が止めて…。
先輩には優しい言葉を貰えても、
私が先輩とつり合いを持てる訳が無い。

気持ちだけではどうにもならないことが
この世にはたくさん有るのだから。

そう、分かってはいても、
伝えたい想いは止まることを知らず。

「先輩のことが……、す…。」

"好き"。