「くだらねぇこと考えてんじゃねえよ。
つり合い?俺らとお前で、一体何が違うって言うんだよ。」
「……!?何を…っ。
私は…私みたいな何も持ってない人間と…先輩達は全然違うと言っているんです!」
何も持ってない?
誰が。実亜がか?
「価値の有る人間と、価値の無い人間とじゃ、
つり合いを保てるハズがない!
私がここに居るのは、……駄目なのかも。」
自身に言い聞かせるように、
実亜は言葉を噛み締め、発する。
お前は、そんな思いを抱えていたのか?
そんな思いで俺達と関わっていたのか?
「……今までずっと、考えてたのか…?」
「…ち、違います…。
今、改めて考えてただけ…です。」
俯いて、表情が見えない。
何を考えているのか分からない。
でも、まずコレだけは言わなければならない。
「価値の無い人間なんて、居ねぇだろ。
実亜には、実亜の価値が有る。」
「……っ、そんなの…っ。」
「お前に何が解る?
神でも仏でもないお前に、俺らやお前の価値を決める資格なんてないだろう。」
綺麗事を言っているなんて、百も承知だ。
だが実亜にはちゃんとわかってほしい。
「自分に価値が無いなんて考えんな。
俺らとのつり合いなんて、関係無い。」
「………。」
「自分の存在を卑下する必要も無い。
お前は。」
実亜。
「俺らと同じだ。」
「………っ……。」
実亜。


