ボヤッ…と、私の目の前に映る輝先輩の顔がぼやける。
気づいたら、私の目から涙が溢れていた。

「………ははっ…。最近私…泣きすぎ…。」

どうして泣くの。
どうして涙が出てくるの。
あれだけ殴られても、泣かなかったのに。

平気なのに。
本当の事を、事実を受け入れただけなのに。

「――…っ…。」

―――悲しい。切ない。…苦しい。

コレは、この"恋"は、初恋なんだ。
そして…叶わない、叶うはずのない"恋"。

分かってる。理解してる。
なのに…

「………痛い…っ…。」

どうしてこんなに胸が痛いの。

殴られた痣よりも。火傷した背中よりも。
胸が…痛い。

………"好き"。
寝ているあなたにしか言えないのは、何故?
起きているあなたに言いたいのは、何故?

どうせ…、言う勇気も持っていないくせに。