幸せへの道


えっと…。私のクラスはどこだろ…?

「お前はS組だよ。」

へ?誰?声のした方を向くと、そこには顔が整った男子が。

「お前、特待生の高条実亜だろ?俺は峰澤佑(ミネサワ ユウ)。お前と同じS組。」

「あ、ありがとう。」

一応お礼を言う。第一印象が大切…だった気がする(テレビで言ってた)。
という訳で笑顔で接する。

「つか、首席で満点合格なんだから絶対S組だろ。」

…そうなんだ。いや、私が知ってる訳ないって。

「場所、分かんないだろ?俺と一緒に来いよ。」

するとその男は私に有無を言わせず、私の手首を掴んでせっせと歩き出す。
…地味にキツい。
だってコイツ背高いし、足が長いから私は小走り状態。
…足がもっと長かったら良かったのに。自分の足の短さに嫌気がさす。

しばらく歩く(走る)と、急に止まった。私にはそれを瞬時に反応できるほどの瞬発力はなく、当然のごとくソイツの背中に激突して。

「…痛い…。…あ、すいません。大丈夫ですか?」

「明らかにお前が大丈夫じゃないだろ。とりあえずここが昇降口。お前の下駄箱はコレ。」

指を差されたその先には、「1-S 1」とかいてあった。…私、「高条」なの1番なの?

まぁ、いっか。とりあえずそこに自分のローファを入れて上履きに履き替えた。