「…だから。お母さんが大好きだから…。そのお母さんが…選んでっ…結婚した…人を…。放っておけなくてっ…。」
『実亜。お母さん、結婚したよ。』
そう言ったお母さんの笑顔が何度も頭の中に浮かび上がってきて。
「……お母さんが…帰ってくるって…思ってっ…。今のお父さん…と、待つことにしたんです…っ…。」
それからの日々は最悪だった。
「…怖かった…。私を"実亜"として見てくれなくて…。私を見るといつも"優実"って言って…っ殴って…蹴って…抱いて。月曜日に帰る度に、"また優実になるのか"って…。"また実亜として見てもらえないのか"って…。」
思いと共に流れてくる、私の涙が先輩のブレザーを濡らす。
「"逃げたい"って…何度も思った…。でも出来なかったっ…。お母さんの笑顔が私の頭の中に何度も浮かんできて…。」


