「俺を頼ってくれよ…。実亜。」

今、先輩に抱きしめられている状態。
…温かい。とても心地いい。

"頼ってくれ"…。本当にいいの?私なんかがあなたに、輝先輩に頼っていいの?

「…お前は、いつも笑ってる。いつだって我慢してる。
"平気"とか"大丈夫"とかの言葉で誤魔化して。」

先輩は私を抱きしめながら喋る。
少しの振動でさえ心地よく感じる。

「知ってるか?誤魔化してる時のお前、俺にはすごく寂しげに見える。」

「……え…。」

何を言ってるの?先輩。
私、ちゃんと笑ってるのに。