幸せへの道


ドアを開けると、実亜がベッドの上に座っていた。

「あ…先輩…。」

こっちを振り向く。
もう痛くはないようだ。

「……大丈夫か?」

痛々しい様子は無いが、思わず聞いてしまった。

「……はい。ありがとうございました。治療して下さって。」

ニコッと微笑んで俺に言う実亜。
その笑顔がとても切なく見えて。

「……へ?せ、先輩?」

気づいたら実亜を抱きしめていた。