「クソッ…。」

どうする。医者を呼ぶか。実亜は俺の腕の中でグッタリしている。
…身体が熱い。

実亜はフラフラしながらなんとか自分の足で立ち上がる。
そして俺に微笑みながら言う。

「すいません。もう大丈夫です。」

……また、笑って誤魔化すつもりか。
でも、今回は限界のようで。ガクッとまた座り込んでしまった。

「…部屋に戻るぞ。医者呼ぶから待ってろ。」

実亜を抱き上げる。それを拒みたいのか、実亜は俺の制服をギュッと弱々しく握った。

「医者…いや…です…。」