私は高条実亜(タカジョウ ミア)。今日で高校生になる。でも別に嬉しくも悲しくもない。

私が入学するのは都内でも有名な金持ち学園・進華学園高等部。
中学校までは普通の公立学校に通っていた私だけど、特待生としてこの学園に入学した。

もちろん特待生だから学費は免除。だから入学したんだ。
私は、その無駄にデカい校門を通る。そして、一番はじめに感じるのは視線。

「あれ…誰だ?」

「あ。今年の特待生だろ?史上二度目の満点って聞いたぜ。」

注目を浴びているのは、多分特待生のバッジをつけているからだろう。
それに加えて…

「うわ…。マジカワイー…。」

「今年の特待生ってハーフなの?目が緑色ね。」

「フン。少し顔が整っているだけでただの庶民でしょ。」

そう。私の瞳はエメラルドグリーンなのだ。ちなみにハーフではない。顔も、庶民なのも生まれつき。勝手にひがまれても困る。

私はそんな人達を無視して、クラス分けが発表されている掲示板に向かった。