アレンはその言葉に目を丸くした。

「へえ…」

「さ、いつでもいいですよ」

アンがにっこりと笑う。

それと同時にアレンが剣を抜き、アンへと突き出す。

「おっと、いきなりですか…」

「身のこなしがすごいですね…」

アレンの剣を後ろに下がり、避ける。

アレンは剣を様々に動かすが、全てかわされた。

しかも軽々と。


しかしアンは、少しまずいなと感じ始めていた。

最初の方はまだ動きが鈍かったものの…しばらく動いているうちにアレンの動きがどんどん速くなり、かわすのがぎりぎりになってきたのだ。

「さすがはあの女王の息子…」

剣が丸っきりダメ、なんてことは無かったな。


「考え事ですか?気を抜くと…‼」

アレンはアンの首を取るかの様に、頭めがけて剣を横に振る。

アンはとっさに背中を後ろに反らして避けた。
そのアンの動きを見てアレンはにやりと笑う。


アレンはすぐさま剣を持ち替え、アンの腹部をめがけて剣を突き出す。

「やば…っ」

アンはとっさに芝生に手をつき、バク転をしてアレンの手を蹴った。
その衝撃でアレンの手から剣が飛び、バク転を決めたアンの後ろに突き刺さった。


「………」

「…負けました、ね」

アレンが苦笑いを浮かべる。