鷹を肩に乗せたアンは、レベペ盗賊の拠点に戻ってきていた。

「ジル、ただいま」

アンの顔を見て、ジルは隠しきれない喜びの色を顔に出す。

「お帰りお姉ちゃん‼」

ジルはアンに抱きつく。
アンは柔らかく笑いながらジルの頭を撫でた。

「お姉ちゃん何かしたの?お父さんが怒ってた…」

「親父が?」

アンはため息をついた。

「そりゃ怒ってるだろうなぁ…作戦無視したから…」

「作戦?」

「あ‼アン‼」

ジャンとアンが住む小屋から出てきた一人の仲間がアンの姿を見て声を上げる。

「お頭‼アンが帰ってきてる‼」

小屋の中にそう叫ぶと、中から

「アン‼こっちに来い‼」

ジャンの怒鳴り声が飛んでくる。

「…ジル、ごめんな。また後で…」

アンはジルの頭を軽く叩き、離れてもらった。


「…ただいま、親父」

「ただいまじゃねぇだろうが…」

ジャンは顔をひきつらせていた。
ジャンの姿を見た鷹はアンの肩から飛び立ち、ジャンの肩へと移る。


「しかもお前…こいつを送らなかったらずっとあそこで遊んでただろ…」

「さすが親父、よくわかってる」

「ふざけんな‼作戦無視して勝手な行動しやがって…」

「それは悪いと思ってるよ。でも親父の事だから、仕事はこなせたんだろ?」

「当たり前だ」

ジャンはきっぱりと言い放った。