「おはようございます。」初めての出社日、黒いスーツを着た翔子は、新しい職場のドアを開けた。
「おはよう。」
口々に声がかかる。
16人程の小さな会社なので、すぐ顔と名前が覚えられそうだ。
「棚倉さん、こちらへ来てください。」
こないだの採用担当者、野原に呼ばれる。
「はい」
翔子は、少し緊張をしながら、野原に所に行く。
すると、そこには男性、二人がいた。
二人とも割と整った顔立ちをしている。
「棚倉さんの指導係の高川君だよ」