39度8分。


気管が炎症を起こしているのか、呼吸する度にゴロゴロと嘆が絡む音が部屋に響く。
呼吸も苦しそうで、私はすぐに救急車を呼びました。

自宅療養を初めてわずか一月半で、母はまた病院に戻ることになったのです。




処置室に運ばれ、酸素吸入と点滴を行う母。


私がいけなかったのかもしれない。
母は、夜寒い思いをしていなかっただろうか…
嘆の吸引の仕方が悪くて、気管に傷をつけて炎症を起こしてしまったのか…


母の苦しそうな顔が脳裏をよぎる。


母は、このまま処置室から出て来ないのではないか…

嫌な方嫌な方に物事を考えてしまう…。



ガチャ………



主治医が処置室から出てきた。


「お母さんの病状についてお話ししますので、こちらへ」


主治医に案内されて、私と父は相談室と書かれた部屋に通された。


「今回の高熱の原因は、風邪のようですね」


その言葉に、私は少しホッとしました。
難しい名前の病気ではなく、良く聞く一般的な『風邪』という名前を聞いて、無条件に安心してしまったのかもしれません。
でも、それは次の言葉で掻き消されてしまいました。