体の動きをコントロール出来ない母に、『もっと足をあげろ』だの、『力を入れろ』と言ったところで、母を焦らせてしまうだけなのです。


そんなことは100も承知しているのに、ついイライラして母に当たる。


特に朝は、私自身も専門学校に行かなくてはならず、忙しいさなかの母の移動はきついものがありました。

「もう!忙しいんだから早くしてよ!!」


何度も母にぶつけた言葉…

母の心は、傷付いたはずです。
それでも、私が玄関を出る時は、車椅子で玄関まで出てきては、笑顔で『頑張ってきなさい』と見送ってくれた母。


この時、母はどんな想いで私を見送ってくれていたのか……


その時は、そんなこと考えもしませんでした。