正直な犬のおかげで、ほどなく発射台を見つけたものの、発射台の脇でシートに覆われたままであった。
まだ早かったらしい。
しょうがないので、宇宙船を茂みに隠して付近を探索。
本来なら、平壌に行きたい(どうも情報によると、旨いものはそこにしかないらしい)ところだったが、発射台が見える所にしか行けないのだった。
いつ準備が始まるか、わからないからである。
結局発射準備が本格化して、発射台に移動するまで3日もかかった。
平壌まで行けたじゃん!
後の祭りである。
とにかく、発射される事は間違いないらしい。
早く宇宙船を先端部分に固定しなければ!
あの企業の社員の皆さんと、パシり隊4名、もちろん隊長もが全員総出で、宇宙船を先端部分へ。
「って!
ワイヤーで引っ掛けるだけかいっ!」
「隊長!
ご心配なく!このワイヤーは細いけど、超強力!外す時は、コクピットに『ワイヤーを外す時のボタン』って書いてあるボタンを押してください。」
「そうか!?じゃ、いいか。」
工場長の説明に、なんとなく納得している隊長であった。
「じゃあ 僕等は日本に帰りますから、後はよろしくお願いします。」
「あ、ああ………
ま、行って来るわ………。」
パシり1号の言葉に、(他に何かないのかよっ!)というツッコミを入れたかったのだが、喋り終わったとたんに去ってゆく後ろ姿に、ボソッと返事をするのが精一杯だった。
ちょっと悲しい隊長の出発である。
コクピットに乗り込むと、左側の上の方にちょっと大きな『ワイヤーを外す時のボタン』
「ちくしょう!こんなにデカいボタンでなくても分かるわいっ!」
更に悲しみの膨らむ隊長の出発である。