本編第五話
「カエルの子はカエル」
『てをすりあしをする星』の港から飛び立つ隊長を乗せた輸送船。
重力が地球の半分ほどで、大気濃度の薄いこの星から飛び立つのに、大きなエネルギーは必要としない。
『隊長さん。もうすぐ「てをすりあしをすり星」の領域外になります。良い航海を。』
管制センターのオペレーター、スズキさんの声。
先程、港で見かけたお姉さんであった。
「ありがとう。
また来るねぇ~!」
後ろ髪をひかれる気もするが、今は地球に帰ることが優先なのである。
それにしても、我が故郷の星の技術は素晴らしい。
この機体のコクピットは使いやすく出来ている。
早く工場長に見せたいものだな。
ナビシステムなんてものがついているんだ。
地球を検索して、自動操縦をセットする。
飛行速度を決定すると、到着までの時間も表示される。
52時間
結構かかるなぁ。