本編第三話
「遠い親戚より、近くの友人。」
隊長の「早くない」という声が、神の怒りをちょっとだけ誘ったのか、図らずも宇宙ゴミに後ろから襲われるというアクシデントで、スピードアップした宇宙船。
小さな窓から見えていた月が、遠く小さくなってゆく。
「さ~らーば地球~ぅよー!また来るま~で~は~!」
(歌っているのは隊長。この歌は『宇宙戦艦〇マト』ではなく、『〇バウル小唄』である。)
ちょっと危ない目にあったが、スピードアップに気をよくしていた隊長は気分であった。
何が起きても、大体どうにかなるという、不思議な自信のある隊長は、妙に上機嫌なのである。
そんな彼に、ちょっとだけ不幸な事故が起きてしまう。
宇宙ゴミである。
先ほど、ちょっとだけラッキーだった宇宙ゴミとは、違うパターンで宇宙ゴミに当たってしまうのである。
コン!
「えっ!?
あわわわわっ………!?」