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「おー、ココから見ると桜の木ってピンクのまん丸~キレイだね。」


「うん、」


「でも、あっという間に散っちゃうんだよね、美しいけどなんか儚いイメージだな。」


「うん、」


―――ここは新校舎の屋上。
もちろん立ち入り禁止だけど、公然の秘密な出入り口はあるわけで。


「クラスは離れちゃったけどさ、しばらくはここでお昼ご飯一緒しようね、って、沙紀!聞いてる?」


「うん、うん?」

気のない返事をするあたし。



聞いてなかった、ごめん、優奈。
それどころじゃないの。