「いっ、いいから自分の席戻れよ!」
焦ったように言う晴。
わっかりやす………。
そんなんじゃ、せっかくのあんたの“アレ”が意味ないよ……。
「なにー?
別にいいしー!」
不満そうに自分の席に戻って行く美香ちゃん。
美香ちゃんが自分の席に戻ったのを確認すると私は晴に囁いた。
「あんた……。
バレたらどうすんのよ?」
すると、晴はニヤッとした。
「ばぁーか。
俺がわかりやすい?アホか。」
えっ?
あっ!
読まれてたか……。
「バレねぇよ、俺はな。
問題はお前だと思うが?」
うっ……。
い、いかんいかん。
こんなときに心を取り乱したり気を抜いたらまた読まれる。
平常心平常心。
「うるさいなっ!
いいから…、本読ませてっ」
読みかけの本に目をおとす。
すると晴も諦めたのか、自分の本を読み始めた。
こいつの前では平常心を心がけている。
……じゃなきゃ読まれるからね。
ん?
何が読まれるかって?
それは、あとでのお楽しみ。

