「………てか、お前
本読むのは 速いじゃん。
そのお前が 一週間も
俺から本を借りてるハズがない。
借りたコト忘れてたんだ?」
……うっ。
す…鋭い…
さすがの 幼なじみ的なヤツか。
「忘れてた。」
素直に薄情しました。
だって、こいつにウソは通用しないからね…
そんな私の名前は
神木 沙希 (かみきさき)。
幼なじみに借りた本の期限に追われています。
「こっちはね?あんたが残してったもんを処理してたのっ!」
必死に反論する私。
「へぇー?そういうこと言う?」
うっ。
「いっつも残していくのは、誰だ?」
うっ…………。
「あんたら。さっきから処理とか何?」
美香ちゃんっ……?
「い…いやっ。何でもねぇ…。」
焦った様子の晴。
そりゃ、そうだ。
私たちの“アレ”は、秘密なんだから。

