「・・・グスン・・ッ」

受話器からは啜り声が聞こえる


「・・・沙奈?」


「うん・・・?」


「彼氏の事まだ好きなのはわかるよ?いつも幸せそうに笑う沙奈をみてたから・・」


「・・・うん」


「でもね、その人はだめだと思う。騙して傷つけるような人のそばに居ても苦しいだけだよ。



「・・・グスン」


「だからって、簡単に忘れるなんて出来ない事はわかってるよ。でも傷つけられて泣いている沙奈は見たくないの」


恋愛経験のない私が何言ってるんだと思われるかもしれない


だけど私は沙奈を助けてあげたいと思って必死に言葉を並べた


「・・バカ彩」


「えっあ、ごめんね。私がこんな事言うなんて間違ってるよねごめんね」


「違うよバカ・・彩の言ってることは間違えてなんかないよ」


「あたしの為に必死で考えてくれてるのが嬉しかったの」


「ありがとね」


私は嬉かった


「そんな、全然だよ!逆に私なんかに頼ってくれてありがと・・」


「バカね。彩だから頼るんでしょーが。」


「さて、新しい恋さがさないとね」


さっきまで泣いていたのにいつもの沙奈にもどってる


いや、きっと心では泣いているんだ


「そうだね」


「ごめんね」


「なにが?」


「いや、泣いたり怒ったりして沙奈に迷惑かけて」


「迷惑だなんて思ってないよ。それに、沙奈らしくていーじゃん私は好きだよ」


「・・・あやあああ、ありがとう。大好き!」


「どーいたしまして(笑)」


「じゃあ、明日学校でね」

 
「うんっ」