ゴリラ
「なんでか言われると困るけど・・・・・俺、モモ太郎君と一緒に鬼退治行きたいねん」


モモ太郎
「ん・・・・・?なんで俺がモモ太郎ってことと、大鬼退治行くの知ってんの?」



ゴリラ
「ドレッドのおじいさんが、拡声器で演説みたいな事してたから」



じじいーーーっ!!人が着替えてる隙にそんな事をしてたんかっ!


モモ太郎
「・・・・奴はその、具体的になに言うてた?」


ゴリラ
「モモ太郎君が旅に出る目的と、付いていきたい人はこの木の下で坊主頭が来るまで待て言うてたかな」


クソ野郎・・・・・・・・

俺が行く気満々みたいやんけっ!!!



モモ太郎
「・・・・・・・・・・でも、まあいいや。ほい、きびだんご」



ゴリラ
「あ、ありがとう・・・・・・」

ゴリラは、モモ太郎から、きびだんごを受け取ると、口にほうり込んだ。



ゴリラ
「あっうまいっ・・・・・・あ〜うまいわこれ――――って!どこいくねん!待ってや!!」



ゴリラは先に歩き出し、既に数メートル先に居るモモ太郎に気付き走って追い掛ける。



モモ太郎
「はははははははー!!!」
モモ太郎は追い掛けてくるゴリラに気付き走り出した。


ゴリラ「ちょっ待てってっ!!置いてくなってっ!!」


ゴリラも、モモ太郎を逃がすまいとスピードを上げる。




モモ太郎
「ん?・・・・・・」


二人して走り、田んぼに挟まれた道から左右を腰ぐらいの高さの草が生い茂っいている道に変わった時、モモ太郎は何かを見つけ立ち止まった。


ゴリラ
「あれ?どうしたん?」



モモ太郎
「いや、ほら」


ゴリラがモモ太郎が指差す方を見ると、道の脇に生えた二本の木の下の間に、赤のチェックの半袖シャツに黒のジーパンという格好の、白い太った犬が足を伸ばして座っていた。