モモ太郎
「と、言ったよな?じじいさん」


モモ太郎は、黒いTシャツに、ダボっとしたジーパン、白のスニーカーを履き、玄関に立っていた。



じいさん
「気を付けてな」

じいさんは、親指を立てた。


モモ太郎
「違うだろ、行かないって」



じいさん
「そうか、では、拡声器を持って、隣の家の前で、お前の秘密を少しばかり・・・・・・・」


じいさんは、拡声器を手に、草履を履いた。



モモ太郎
「わかったぁ!!分かったから!!」


モモ太郎は、両手を広げ、じいさんが外へ出ないよう、ガードした。



じいさん
「よかろう。では、行ってこい。ほれ、きびだんごじゃ」



モモ太郎
「クソがっ」


モモ太郎は、じいさんから、きびだんごが入った巾着袋を受け取り、ベルトに巾着袋の紐を巻き付けた。


モモ太郎
「そういや、ばあさんは?」



じいさん
「昨日から家出じゃ」



モモ太郎
「うっそお!!何したんだ、てめえっ!!」



じいさん
「な、何もしとらん。わ、若気の至りじゃ、ないかな?」



モモ太郎
「ばあさんの何が若いんだ!!かなり、いい歳だろうが!!ふらふら徘徊なんぞしたら道端で野垂れ死ぬぞ!!探して謝ってこい!バカモンが!!」



じいさん
「五月蝿い!!たわけ者が!!さっさと行け戯けが!」



モモ太郎
「痛っ、いてっ!分かったからっ!拡声器で殴るなっ」



じいさん
「達者でなっ・・・・・・バカッ!!」



モモ太郎
「おう、じゃあな・・・・・・ボケッ!!」


モモ太郎は、そう言うと、玄関の戸を閉めた。



じいさん
「・・・・・・よし、お楽しみタイムじゃ」


じいさんは、そう言うと、いそいそと、茶の間へ引き返していった。