「だから、お前…その荷物」




「その通りです!

さすがシュウさん!!

勘が鋭いですね〜」




…泣きたくなくて、




わざと空元気を見せている
自分が哀れに思えてきた。




シュウさんを見てみると
悲しそうに微笑んでいた




「お前…強がりにも

程度があるだろ。

それは単なる我慢と同じだ」




「…シュウさん、

そんな顔しないでください

シュウさんを

困らせるつもりは

全然なかったんです。

ごめんなさい、」




顔を下にした途端、

大きな雫が1つ…2つ、と
お気に入りのスカートに
シミを作っていく。




あぁ、ダメだよ…
濡れちゃうじゃん




そんな私を察してなのか
何か温かいモノに包まれた




それは、紛れもなく




シュウさんだった―




「シュウ…さん?

どうしましたか?

寒いんですか?
少し肩が震えていますよ?

ジャケット…は、着れないか。

あ、ちょっと待っててください

今温かい飲み物を…、」




「少し黙ってろ。」




声まで震えてる…




私はおとなしく、




彼の気が済むまで




このままで居ることに決めた










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