「本当に近くに

あったんだ…公園、」




今居る場所は歩いて10分も

かかってないのに

なんだか別の世界に

居るみたいで少しだけ

胸の奥が疼いた




「だろ?

繁華街から少し離れるだけで

だいぶ変わる。」




「…そう、みたいですね」




「ほら、ジャケット」




渡されたジャケットを受け取り
水道でひたすらご飯粒を落とす




彼はブランコに乗って
ゆらゆらと揺れていた




水の流れる音と

鎖が擦れる音しか

出ていないことに

気がついた




「…あの、今日は

すみませんでした」




「なぁ、

そのデカい荷物どうした?」




隣にあるスーツケースのことかな?




「これ…ですか?」




「おう、それ。」




やだ…




なんて説明すればいいの?




全てを話したら警察に




連れて行かれちゃうのかな…




どうしよう…、










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