その晩、まるで私は最初から




この家の子供じゃなかったかのように




事は上手く進んだ




「じゃ、さよなら」




「ハルちゃんと
ヤレなくて残念〜

んま、頑張ってね〜」




「…、」




返す言葉も見当たらなかった




もう顔も“知らない”人達が
私を送り出す




…いや追い出されたんだ。




―バタン




カチっと鍵の閉める音を聞くと




「こんな夢、覚めればいいのに」




頬をつねってみたけれど




「…痛い」




これは夢じゃない




たった今、実感がわいた。




外はさっきまで酷く荒れていたのに




今は空が澄みきって星が見える




「雨上がりの空も

嫌いじゃないよ。」










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