俺様王子と地味子な舞姫


「・・・何泣いてんだよ・・・。」


自覚をした瞬間、涙があふれてきた。


「なん・・・でもな・・いよ・・・。」


まだ。まだこの思いを伝えることはできない・・・。


「しぃ・・・。」

「・・・。」

「しぃ、顔上げて?」

優しい龍樹の声にそっと顔を上げる。


「ん・・・。」


降ってきたのは甘いキス。昨日よりも甘い甘い、とろけるようなキス。角度を変えて何度も降ってくる。

「・・・んっ・・ふぁ・・・」

自分のじゃないような甘い声にこれ以上ないくらい顔が赤くなる。