俺様王子と地味子な舞姫


「別に寝ぼけてねぇよ?」

はっとして上を向くと、してやったりと意地悪そうに笑う龍樹の顔。
どんどん顔が赤くなるのが自分でもわかる。

「た、狸寝入りはやめろ!」

何とか脱出しようとあばれるが、龍樹の腕が緩むことはない。
一言文句を言おうと思って顔を上げたとき、


「あっ!」

眼鏡を取られてしまった。

「どうせ伊達だろ?」

そう言いながらヘアゴムまでも取た龍樹。

「やっぱり、この方が可愛い・・・。」

「!!///」

さっきの意地悪な笑顔とは違う。もっと、もっと優しい微笑み。