舞台から降りると、一気に緊張が抜けてその場に崩れ落ちそうになった。

「お~、危ない危ない・・・。」

辺りを見回しても誰もいない。まだ観客席から抜け出せないのかな?と、のんきに考えていたら・・・、

「おい」

「ひっ!」

いきなり後ろからかけられた声に驚いてしまった。
振り向くと、そこには見覚えのある顔が・・・。

(さ、さささ咲倉君!?)

そこにいたのは、隣の席の咲倉龍樹君だった。

(冷静に、冷静に・・・)