「いや、驚いたよ。いきなり目の前で転んだからさ。」
素直に一言。
女はムッとしたのか、今まで俯いていた顔を上げた。そして人の顔見るなり考え込んで、何かを思い出したような表情になった。

「新入生代表の人・・・。」
そこか・・・

「覚えててくれたんだ。」
「そりゃぁ、あれだけ騒がれれば・・・。」

ですよねぇ・・・。

「あれは凄かったね。あ、そろそろ教室に行かないとマズイね。じゃあね。」

教室に向かって歩きだした。背後で礼を言う声が聞こえたから、振り返って手を振ってやる。



少し歩いたところで哉也にあった。
「龍樹どうした?そんなニヤニヤして。キモいぞ・・・」

「誰もニヤニヤしてない。」
こいつはいつも一言多い。

「で、どうしたんだ?」

「面白い奴見つけた。俺の顔見ても赤くならなかった。」


これから、楽しくなりそうだ・・・。