『いい?しぃちゃん。扇は力を入れて持っちゃダメよ?私たちにとって舞扇は体の一部なんだから。』

『わかった!!』





『しぃちゃんは舞が上手ね。私よりもしいちゃんの方が”舞姫”にむいてるわ。』

『でもしぃは”まいひめ”にはなれないよ?
それにね、しぃのまいはおねえちゃんがおしえてくれたからじょうずになったんだよ!しぃおねえちゃんのまいだいすき!!』

『ありがと。・・・ねえしぃ?もしお姉ちゃんに何かあったら、そのときは・・・しぃが”舞姫”を継いでくれる?』

『?・・・わかった。』

『ありがとうしぃ。約束だよ。はいっ指切り!』






今でもあの時のお姉ちゃんの顔が、寂しげなあの表情が忘れられない。時々夢にまでみる。
まるで、お姉ちゃんが「あの約束忘れてない?」とでも言ってるみたいだ。