この手、あの手。



「小松さんはどうしたの? 見てなくて良いの? あ、もしかして死んじゃった?」

死!?

小松さんって死ぬような病気にかかってるの!?


「……いい加減にしろ」

「ごめんごめん、冗談だよ。彼女?」

「ああ。俺の彼女、つーちゃん」

私は頭をペコッと下げた。


「こいつは中学の時の同級生」

「どもー!」

彼女は私とは正反対の性格かな。

田畑さんみたいな感じ?


「もしかして座る場所ない? 私、友達待ってるだけだから席譲るよ!」

「良いのか?」

「良いよ良いよー! 待ち合わせ場所は変えるから! 彼女と楽しんでよ!」

彼女は鶴賀君の肩をバシバシと叩いた。


「いてえよ……。まあ、お礼だけは言っとくよ。サンキュー」

「いいえー! じゃあ私行くね!」

「おう」

彼女は去る時、私に近づいてきて耳元で呟いた。