この手、あの手。



「ちょっ、家に帰ってから見てよ!」

「へー、アンティークなネックレスだな。つーちゃんこういうの好きなの?」

「違う! 鶴賀君に似合いそうだったから……」

「つーちゃん大好き」

鶴賀君は人目も気にせず抱きついてきた。

周りの視線が私達に向けられる。


「は、恥ずかしいから離して!」

「つーちゃんがいけないんだよ。俺を喜ばすから」

「だって私、鶴賀君といるのに聖治のことばっか考えてた……。最低なことしたから……」


周りの人達が少しざわついた。

鶴賀君がキスをしてきたからだ。


「今は俺のことだけ考えて」

「うん」

「絶対だよ? もし破ったらつーちゃんめちゃくちゃにするから」

「っ……! 変態!」


鶴賀君の足を軽く蹴ってやった。