この手、あの手。



街を少し歩いてると雑貨屋に目が行き、そこに寄ることにした。


「かっわい――!!!」

店内にはクマやウサギ、ネコなど沢山の動物の雑貨があった。


「つーちゃん女の子だな」

私を見て楽しむ鶴賀君の足を軽く踏んでやった。


「あっ……」

あるクマのストラップに胸がざわついた。


「どうした?」

「この紫のクマのストラップ、欲しいなあって思って」

「へぇー、それ2つセットじゃん。お揃にする?」

私は首を左右に振った。


「鶴賀君とじゃ意味ないから」

「……じゃあ、誰とお揃が良いの?」

「聖治に決まってるじゃん」

「………何だよそれ」

鶴賀君がボソッと喋ったが、声が小さく過ぎて聞き取れなかった。


「私、これ買ってくるね」

「ああ………」


あれ?

私、また聖治のこと考えてる。

今日は鶴賀君と初デートなのに、最低なことしちゃった……。