「金魚のフンって書いちゃった♪」
田畑さんの友達、赤坂さんがニヤニヤしながら言った。
「つーちゃんと金魚のフン、どっちが良い? 今ならまだ消せるけど……」
田畑さんがそう言って、赤坂さんが田畑さんの筆箱からマッキーペンを出した。
「それ酷くない?」
周りからヒソヒソ聞こえてくるが、そんなこと言いながら笑ってるのがみんな。
誰も本当に酷いなんて思ってない。
「実乃梨を離せよ!」
聖治は違う。
けど、聖治は友達に抑えられてて助けに来てくれない。
「早く決めろよ」
「……どっちもやだ……」
「ああ?」
田畑さんは睨んできた。
やだ……、怖いよ。
助けて聖治。
助けてよ……。
私には聖治しかいないんだよ……。
段々と涙目になる私。
怖さのあまり、全身が震えてきた。
それを見てまた笑う田畑さん達。
ここから逃げ出したい。

