この手、あの手。



「つーちゃん、仲間に入れてほしいなら入れてあげるよ?」

「いい……」

すると田畑さんは私の胸ぐらを掴んできて、思いきり殴られた。


「った……!」

頬がヒリヒリする。


「人がせっかく親切にしてあげてんのに、遠慮してんじゃねえよ! ブツブツ喋りやがってまじきめえ!」

みんなの視線が私に突き刺さる。

怖い……。


ギュッと目を瞑った。


「つーちゃんって、金魚のフンみたいだね」

その一言でクラスのみんなが笑った。

聖治を除いて。


「後ろにとことこついてくるだけでさ、気持ち悪い」

もう聞きたくない!


私は耳を塞いだ。


「そんなことしたって意味ないんだけど」

田畑さんに両手を掴まれ、顔にチョークでなにか書かれた。


「やっ!」

拒もうとするものの、手を掴まれてて動けない。