この手、あの手。



「着いたー!」

そこには澄み渡る綺麗な海が広がっていた。

現在の時刻は午前10時。

もう既に沢山の人が来ていた。


「あそこにパラソル立てよう!」

小松さんが空いている砂浜を指差し、そこへパラソルを立てた。


「晴天だから泳ぎたくなるなー!」

「じゃあ1人で泳いできなよ。私は嫌だから」

「んじゃ行ってくるわ!」

「へっ……!?」

まさか本当に1人で泳ぎに行くとは思わなかった。

聖治は来ていたTシャツとズボンを脱ぎ、海パン姿になると海へまっしぐらした。


「悠木君て筋肉凄いね。あれはモテるよ」

「バスケ部だからねー」

聖治は高校に入学してからモテるようになった。

告白も数人からされたとかされてないとか。

私がいるからって、告白をしない人もいる。

そんなのただの逃げなのに。