『梨沙…』

座り込んでしまったあたしを気遣い、声を掛けてくれた。

「梨奈…」

あたしね、気づいちゃったかもしれない。

あたしね。

好きなのかも。

ううん。

好き。

「梨奈…あたし気づいちゃった。」

『わかってるよ?』

「幸介が好き。好きだよぉ…。」

『うん。』

やっと恋できるようになったよ。

男大嫌いじゃなくなったよ。

なんでかな。

気づきたくなかった。

こんなにも苦しいのなら。

気づいたとたん失恋?