走って走って。

あてもなく。

「本気で人を愛したことも、愛されたこともないから。」

そんな声が聞こえた。

その声に引き寄せられるように歩いた。

女がふたり。

言い争っているのか、でも1人は笑っている。

「あの…」

なにをはなしたかは覚えてない。

ただふたりが梨沙、梨乃そしてあたしが梨奈だと自己紹介したこと。

みんな梨~とかいって盛り上がったこと。

これが出会いでした。